常磐津「将門」あらすじ
本名題を「忍夜恋曲者(しのびよるこいはくせもの)」といい、常盤津の代表曲の一つ。天保7年(1836年)7月に市村座で初演された。作詞は宝田寿助、作曲は四世岸沢武佐。
平将門滅亡の後その娘、滝夜叉姫(たきやしゃひめ)は、ガマの妖術を使ってお家の再興を図ろうとします。
残党討伐に下総まで下ってきた大宅太郎光圀(おおや たろう みつくに)を、将門の遺児滝夜叉姫(たきやしゃひめ)がガマの妖術と色香をもってたぶらかし、味方に引き入れようとするが見破られてしまうという筋書きで、壮大な怪奇美にあふれた舞踊劇です。
この曲は浄瑠璃も踊りも最高傑作とされる曲であり、栃木県烏山の山あげ祭りには数多く演じられています。
かつて、平将門が本拠地とした相馬の御所(現在の茨城県坂東市付近?)、平将門が滅んだ今となっては見る影もないこの廃墟を背にして、ガマから傾城姿(太夫の姿)の滝夜叉姫が現れます。
また大宅太郎光圀も登場し、滝夜叉姫に声を掛けられた光圀は、古御所に棲みついた妖怪と疑うが、彼女は島原の傾城・如月(きさらぎ)と名乗り、後を慕って追いかけてきたとなまめかしい姿になります。
光圀は彼女を将門ゆかりの者と直感し、わざと打ち解ける風を見せて将門の戦の模様を語ってみせます。
その話を聞いた滝瀧夜叉姫は涙を流して無念の形相を見せるので、光圀がすかさず突っ込むが、彼女は笑いに紛らせて廓話し(くるわばなし)を始めます。
しかし、瀧夜叉が落とした相馬錦の旗が証拠となり、光圀は更に問い詰めます。
さすがの滝夜叉姫も言い抜け出来ず、光圀を色仕掛けで籠絡し、味方に引き込もうとしたことを白状すると、ガマの妖術を使って消えて行きます。
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